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植物に学ぶ人工光合成システム/第一話・究極のエネルギー生産
〜太陽光を使用して生命エネルギーを作り出す植物の営みを
温暖化防止に役立てるには〜
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太陽光と二酸化炭素から生命活動を支える植物のエネルギー生産システム〈光合成〉を
人工的に利用する計画が進んでいます。
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人類が出現する遥か昔の36億年前から光合成微生物が地球上に誕生し、太陽エネルギーを利用して地球大気の98%を占めていた二酸化炭素を化石燃料として固定し、地球の平均気温を15℃にまで低下させました。また、有毒な硫化水素を酸化してイオウに変え、水を酸化して地球大気に21%の酸素をもたらしたことでオゾン層が形成されました。光合成は酸素を発生して人間にとって快適な気温の地球大気に整えると同時に、食物連鎖の起点とする豊かな生態系を持つ海と森林で全地球を覆っている究極のエネルギー生産システムです。今回は、光合成を未来資源に役立てる基本となる自然界のメカニズムについて考えみましょう。 |
光合成のイメージ
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光合成の起源 |
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| ■ 酸素を作ったバクテリアの謎 |
光合成という優れたエネルギー変換メカニズムを持つ植物から教えられることは非常に多くあります。光合成は二酸化炭素と水を取り入れ、酸素を発生するものだけだと思われがちですが、最初に光合成を行なったバクテリアが利用したのは水ではありませんでした。水より前に硫化水素と有機物を使うものが生じたと考えられています。二酸化炭素と光を使って糖を作るのは現在の植物と同じですが、利用する物質が違うと廃棄物が異なります。水を使うシアノバクテリア(別名ラン藻)になって初めて酸素を発生したのです。太陽の光を電子の流れに換える重要な役割をするタンパク質である光合成反応中心タンパク質には2つの型があり、最初はこのどちらか一方だけを使っていたようですが、シアノバクテリアになって両方を用いるようになります。2つの型が連動すると水を利用できるエネルギーを生み出すことができ、酸素を廃棄物として出す光合成が生まれたと考えられます。シアノバクテリアは藻類の仲間ですが真核生物の他の藻類と違って細胞内に核がない原核生物です。また、他のバクテリアと違って葉緑素(クロロフィル)を持ち、光合成をすることができ、数10億年前から地球上に生息していたことが知られています。太古の地球では海洋の浅瀬でこのシアノバクテリアが現在の珊瑚礁のようなコロニーを作り大繁殖していたようで、ストロマトライトと呼ばれる化石がそれです。このようにシアノバクテリアは光合成によって少しずつ酸素を大気に排出し、現在の大気を作り上げてきました。シアノバクテリアの現在の地球上の分布をみると氷河の上や温泉、強塩湖など普通の生物が生きていけないような極限環境に分布しています。低温の極限環境である氷河は現在からみれば異常な環境ですが、太古の地球の環境をあらわしているとも考えられます。最近、かつて全地球が凍結したというスノーボールアース仮説が話題となっていますが、そんな時代からシアノバクテリアは氷の上で繁殖してきたのかもしれません。そんな氷上のシアノバクテリアには、光合成を人工的に応用するヒントが隠されています。
現生のものはオーストラリア・シャーク湾(ハメリンプール)やセティス湖など、ごくわずかな水域のみで発見されている〈ストロマトライト〉は、シアノバクテリアが珊瑚礁のようなコロニーを作って大繁殖している状態です。
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