気候変動

TCFD提言に基づく情報開示

当社は、環境対応をマテリアリティ(重要課題)の1つとして掲げ、2022年6月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明しました。TCFDの考え方に基づき、シナリオ分析を行い事業活動に与えるリスクと機会を抽出し、経営戦略へ盛り込む活動を実施しています。

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ガバナンス

当社は、気候変動を含む環境問題への対応を経営の重要な課題の一つとして位置付けています。
 当社では、サステナビリティ経営をグループ全社で横断的に推進するため、2022年4月1日付、代表取締役社長直下の組織として、サステナビリティ推進室を設置いたしました。
 代表取締役社長は、中期経営計画推進室メンバーを兼ねる取締役よりサステナビリティ推進室担当役員を任命します。同担当役員はサステナビリティ推進室を通じて取締役会で定めたサステナビリティ基本方針に基づき、各部門と連携して、気候変動等に関するリスクと機会の分析評価、重要課題の特定、環境・人権等を含むサステナビリティ課題に関する対応を企画・立案し、目標を設定します。 担当役員である取締役は、リスクマネジメント委員会等各種の重要会議に出席し、サステナビリティの観点からの意見を述べます。
 取締役会は、担当役員である取締役より適宜報告を受けるとともに、年に2回以上、サステナビリティの推進状況やリスクと機会に関する評価について報告を受けます。 取締役会は報告に基づき、重要課題の特定や全社目標を承認するほか、重要な戦略等の審議の際にサス
テナビリティ推進の視点を考慮いたします。

  • ガバナンス図

戦略

各部門やサステナビリティ推進室にて気候関連のリスク・機会に関するシナリオ分析

当社は、気候関連のリスクと機会の重要性評価に向け、「移行リスク」「物理的リスク」「機会」の区分で、各部門やサステナビリティ推進室にて事業インパクトの項目出しを行い、シナリオ特定と評価を実施し、11の評価項目を選定しました。評価にあたっては、国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表した「4℃シナリオ※1」、「1.5℃シナリオ※2」などを考慮し、事業インパクトと財務影響度を検討しました。 当社においては、お客様の需要に応じて様々なサプライヤー様から商品を調達し販売するビジネス形態であり、固定的な製造設備を殆ど有しないため、変化に対して比較的フレキシブルに対応できます。そのため、リスクと捉えた需要の変化も新たな機会と捉えることが可能です。物理的リスクにおいては、事業の拡大とともに物流拠点等の多拠点化をさらに進めていくことによりリスクの分散を図ってまいります。これらの分析を踏まえた戦略については、中期経営計画FY2025-27の事業戦略に一部組み込み(eコマースの拡大、配達便の拡大など)、対応を進めております。

(注1)4℃シナリオ:現状を上回る温暖化対策をとらず、産業革命前と比べて4℃前後上昇するシナリオ
(注2)1.5℃シナリオ:抜本的なシステム移行が達成され、産業革命前に比べ21世紀末に世界平均気温の上昇幅が1.5℃未満に抑えられるシナリオ

気候関連のリスクと機会の重要性
10の評価項目

  • リスクと機会の検討期間:短期2022年~2030年度まで、中期2031年~2040年度まで、長期2041年~2050年度まで/事業及び財務への影響の大きさの3段階(矢印の傾き)比較的影響がある>多少の影響がある>影響は少ない
  • リスクと機会の検討期間:短期2022年~2030年度まで、中期2031年~2040年度まで、長期2041年~2050年度まで/事業及び財務への影響の大きさの3段階(矢印の傾き)比較的影響がある>多少の影響がある>影響は少ない
リスク機会 リスク・機会の種類と内容 時間軸 インパクト評価
種類 内容 影響種類 1.5℃シナリオ 4℃シナリオ
リスク 移行 政策・法規則 CO2低減対応や炭素税導入に伴う商品仕入価格の上昇 コスト↑
技術 脱炭素に向けたPB品開発費用の発生や物流における脱炭素技術採用に伴う設備投資の増加 コスト↑
市場 安全と利便性とCO2排出減衰を統合できる各種技術の伸展に伴う、廃棄物となる消耗品需要の減衰 売上↓
評判 物流・製品・サービスにおけるGHG排出削減の情報開示に関し他社に劣後に伴う顧客からの評判、資本市場からの評判低下 売上↓
物理的 急性 自然災害による、在庫破損・操業停⽌又は低下・設備の復旧などのコスト発⽣ コスト↑
慢性 代替商品の調達遅れ等によるサプライチェーン寸断による供給制約に伴うコスト発生 コスト↑
機会 資源 保有からレンタルへの購買行動変化、中古利用、リサイクル対応、循環による顧客囲い込み 売上↑
エネルギー 生産から顧客の手元に届くまでのCO2排出量の表示など、商品データベースを活用した新サービス提供による競争優位の獲得 売上↑
市場 研究開発による脱酸素課題の解決が不可欠であり、主要マーケット研究開発への支出の拡大 売上↑
製品サービス 配送距離の短縮、廃棄梱包材の少ないエコ梱包で配送できる配達便の拡大と共同物流を含めた効率運用による積載効率の向上 コスト↓
レジリエンス リスク分散された多様なサプライチェーンの構築による、安定供給可能なサプライヤーへの信頼増加 売上↑

リスク管理

当社は、事業遂行を阻害する恐れのあるリスクの発生防止と発生したリスクへの対応等を定めた「リスク管理規程」を制定し、リスク管理に取り組んでいます。気候変動におけるリスクについては、各部門よりバリューチェーンの上流から下流までを想定した内在するリスクを洗い出し、対応(移転・回避・分散・軽減・その他)を図っております。さらに、サステナビリティ推進室にて、抽出されたリスクを全社的な観点で統合し、移行リスク及び物理的リスクにおいて重要性を評価・特定し、1年に1回リスクマネジメント委員会に報告しています。なお、リスクマネジメント委員会は、当該リスクへの対応の総合的な調整、その他リスク管理に関し必要な事項を行います。

指標と目標

当社は、「再エネ100宣言 RE Action」に賛同し、2020年度を基準年度として、スコープ1、2の削減目標及び再生可能エネルギーの採用目標を2030年度に42%、2050年度に100%とすることを掲げています。 当社は、2022年度に再生可能エネルギー由来の電力をグリーン電力証書により導入しており、2024年度の再生可能エネルギー採用率は51%に進展しています。スコープ3については、1,300万点超の取扱商品の購買にかかる「カテゴリ1」が排出量のおよそ8割を占めるため、サプライヤー様との協同を含め、削減に貢献できる対応策を優先的に検討しております。例えば、主要なサプライヤー様に一次データの供給をお願いするなど、当社関係部とも調整を図っています。

※ 「 再エネ100宣言 RE Acti on」は、企業、自治体、教育機関、医療機関などの団体が、使用する電力を100%再生可能エネルギーに転換する意思と行動を示すことで、再エネ100%利用を促進する枠組みです。

  • 再エネ100宣言 RE Actionロゴ
  • CO2排出量(スコープ1,2)
  • CO2排出量(スコープ3)

※基準年度を2020年といたします。

CDP

当社は、企業や自治体に対して環境に関する情報開示を促すNGO「CDP」に回答しています。

アズワンのサステナビリティ

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