当社のコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方は、企業価値の最大化を図るために経営の効率性を追求するとともに、企業倫理の徹底と経営の透明性の向上に努め、全てのステークホルダーの皆様の信頼を高めることであると考えております。
当社は、企業統治体制として監査等委員会設置会社を採用することによって、取締役の職務執行の監査・監督等を担う監査等委員を取締役会の構成員とすることで取締役会の監督機能を強化し、更なる監視体制の強化を通じてより一層のコーポレート・ガバナンスの充実を図るとともに、取締役会が業務執行の決定を広く取締役に委任することを可能とすることにより、業務執行上の意思決定の迅速化を図りつつ、取締役会が経営計画等の重要な経営上の意思決定に注力することで、更なる企業価値の向上を図っております。
また、指名報酬委員会を設置し、取締役等の指名や報酬等に関する評価・決定プロセスを透明化することで、コーポレート・ガバナンスをより一層充実させております。
取締役会は、取締役9名(うち社外取締役5名、女性3名)で構成され、経営上の意思決定及び職務執行の監督を行っております。当社と利害関係のない独立した社外取締役を招聘することにより、経営の監督機能を強化しております。原則として毎月1回取締役会を開催するとともに、必要に応じて臨時取締役会を適宜開催しております。当社のコーポレート・ガバナンスの体制を図に示すと最終ページのとおりであります。
監査等委員会は、監査等委員3名(全員独立社外取締役)で構成され、委員会は、定期的(原則として隔月)に開催し、監査の方針・計画・分担の決定をはじめ、選定監査等委員の業務監査に関する報告に基づく意見交換、内部監査部門からの報告に基づく内部統制に関する検討・審議、定時取締役会議案の適法性の審議、リスク事案等の情報共有を行っております。なお、監査等委員でない社外取締役との情報共有等が必要と思われる議案には監査等委員でない社外取締役もオブザーバーとして出席し、コミュニケーションを図っております。
監査等委員会は、原則隔月に開催としていますが、例年ほぼ毎月開催し当事業年度においてもWEB会議も利用して、13回(平均1時間程度)開催しました。当事業年度の活動としましては、7月監査開始に当たり監査の方針・計画・分担の決議を行い、期中においては選定監査等委員の本部往査や重要決裁書類の監査等の業務監査に関する報告に基づく意見交換、内部監査部門からの報告に基づく内部統制に関する検討・審議、定時取締役会議案の適法性の審議、リスク事案等の情報共有を行っております。なお、監査等委員でない社外取締役との情報共有等が必要と思われる議案には監査等委員でない社外取締役もオブザーバーとして出席し、コミュニケーションを図っております。当事業年度の具体的な検討内容としましては、政策投資案件に関し担当取締役からの意見を聴取するとともに選定監査等委員の収集した情報も勘案してその妥当性・適法性の検討、監査法人との協議を踏まえたKAMの選定に関する協議、補欠の監査等委員である取締役候補者選任議案に関する同意意見の決議などを実施しました。その他、会計監査人の評価に基づく再任・監査報酬同意の決議、監査等委員でない取締役の選解任等・報酬等についての意見形成などを行いました。
当事業年度、選定監査等委員(1名)は、年間を通じて各部門・子会社への往査、執行役員会・幹部会などの主要な会議へ出席し、重要な会議議事録や稟議書をはじめ各種重要書類の閲覧を実施し、疑問点等については、取締役、使用人から適宜説明を受け、報告を求め、意見を述べております。さらに、会計監査人並びに監査部とは往査への立会のほか適宜意見交換をするなど相互に連携し、また総務部並びに経理部等のコーポレート所管部門とも適宜の意見交換を行い、監査の実効性向上に努めております。その他の非常勤監査等委員は、取締役会並びに監査等委員会に出席し業務執行取締役、選定監査等委員からの報告・説明に対し、会計並びに法律の専門家としての知見より適宜・適切な質問をし、意見を述べております。
なお、監査等委員会設置会社移行後3年が経過し内部監査部門が監査等委員会の職務を補助する監査等委員会事務局の体制が構築されたこと、並びに内部統制システムの有効性を確認していることから、必ずしも常勤者の設置を必要としないとの判断のもと、常勤監査等委員を置かず、内部監査部門並びに内部統制システムを活用した組織的監査の体制としております。ただし、常勤監査役を含め10年間常勤を務めた鈴木監査等委員を選定監査等委員に選定し、引き続き執行役員会・幹部会等主要会議への出席、各種重要書類の閲覧、重要な事業部門や子会社への往査等、重要な業務監査の職務を遂行していることで当事業年度の監査活動に特段の問題はありません。
指名報酬委員会は、当社の取締役の指名・報酬等に関する手続の公正性・透明性・客観性を強化し、コーポレート・ガバナンスの充実を図るため、取締役会の諮問機関として設置しております。指名報酬委員会は取締役会より委任を受け、指名・報酬等に関する事項について十分に審議し、取締役会に報告いたします。なお、当該委員会は社長、コーポレート本部長及び社外取締役3名で構成され過半数を社外取締役が占めております。
執行役員会は、取締役会から業務執行取締役への大幅な権限委譲による意思決定の迅速化を図る上で、業務執行の意思決定を補完する会議体であり、業務執行取締役及び執行役員により構成しております。また、選定監査等委員がオブザーバーとして出席しております。
氏 名 | 担当 | 企画営業 経営戦略 | マーケティング・ 事業開発 | IT | 物流 購買 | 営業 | 国際 | 管理人事・ 人財開発 | 会計・ 財務 | 法務 リスク | 内部統制・ ガバナンス | 異業種 経験 |
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井内 卓嗣 | 代表取締役社長CEO | ◎ | ○ | ○ | ○ | ○ | ◎ | ○ | ○ | |||
山田 一人 | 営業本部長COO | ◎ | ○ | ○ | ◎ | ○ | ○ | ○ | ||||
原 俊樹 | 投資委員会委員長CIO | ◎ | ○ | ○ | ○ | ◎ | ○ | ○ | ○ | |||
西川 圭介 | コーポレート本部長CFO | ◎ | ◎ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||
小滝 一彦 | ○ | ◎ | ◎ | ○ | ||||||||
中小路 久美代 | ◎ | ○ | ○ |
氏 名 | 担当 | 企画営業 経営戦略 | マーケティング・ 事業開発 | IT | 物流 購買 | 営業 | 国際 | 管理人事・ 人財開発 | 会計・ 財務 | 法務 リスク | 内部統制・ ガバナンス | 異業種 経験 |
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鈴木 一孝 | ○ | ◎ | ○ | ○ | ◎ | ○ | ||||||
金井 美智子 | ○ | ◎ | ◎ | |||||||||
三浦 由布子 | ◎ | ◎ | ○ |
氏 名 | 担当 | 企画営業 経営戦略 | マーケティング・ 事業開発 | IT | 物流 購買 | 営業 | 国際 | 管理人事・ 人財開発 | 会計・ 財務 | 法務 リスク | 内部統制・ ガバナンス | 異業種 経験 | ||
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上席執行役員 | 委任型 |
木村光成 |
海外事業本部 | ○ | ◎ | ○ | ◎ | ○ | ○ | |||||
雇用型 | 丸橋 正孝 | eコマース本部 | ○ | ◎ | ○ | ◎ | ○ | |||||||
町田 純 | サプライチェ ーン統括本部 |
○ | ○ | ◎ | ○ | |||||||||
金野 徹 | 専門事業本部 | ○ | ◎ | ◎ | ○ | |||||||||
執行役員 | 雇用型 | 林 偉 | 亚速旺(上海) 商贸有限公司 |
○ | ◎ | ○ | ◎ | ○ | ||||||
福田 智宏 | DX推進本部長CDIO | ○ | ◎ | ○ | ||||||||||
葭 哲二 | 営業本部副本部長 | ◎ | ◎ | ○ | ||||||||||
三並 正和 | 専門事業本部長 | ○ | ○ | ◎ | ○ | ◎ | ||||||||
山本 浩史 | 総務部長 | ○ | ◎ | ○ | ○ | ◎ | ○ | |||||||
加藤 淳士 | 経営企画部長 | ○ | ○ | ◎ | ◎ | ○ | ||||||||
木村 貴一 | eコマース本部副本部長 | ○ | ○ | ○ | ◎ | ◎ | ○ |
当社の社外取締役は5名です。全員、独立社外取締役として東京証券取引所に届出ております。
氏 名 | 保有当社 ※1 株式数(百株) | 取締役会※2 出席状況 | 当社との取引関係 その他特別な利害関係 | 主な経歴または兼職の状況 |
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社外取締役 小滝 一彦 | 15 | 13/13 | 該当なし | 元経済産業省勤務(〜2012年3月)、現日本大学経済学部教授 |
社外取締役 鈴木 一孝 | 29 | 13/13 | 該当なし | 元株式会社りそな銀行勤務(〜2013年6月) |
社外取締役 金井 美智子 | 43 | 13/13 | 該当なし | 現弁護士法人大江橋法律事務所 |
社外取締役 中小路 久美代 | 0 | 0/0 | 該当なし | 現公立はこだて未来大学システム情報科学部教授 |
社外取締役 三浦 由布子 | 0 | 0/0 | 該当なし | 現MIRARTH ホールディングス株式会社常勤社外監査役 |
※1:2025.05末時点 ※2:2025.03末時点
鈴木一孝氏は、当社取引銀行である株式会社りそな銀行での勤務経験があり、同行退職後12年経過しております。
2025年3月期末現在、当社グループの総借入残高は71億円であり総資産の7.2%、現預金総額に対して32%程度の残高であり借入依存度は低い状況にあります。さらに、同行からの借入金は38億75百万円であり総資産の3.9%程度であり、同行からの借入れは他の調達手段で十分に代替可能であります。 以上のことから、当社は、当社の「社外取締役の独立性判断基準」に照らし同氏の社外取締役としての独立性に問題はなく、一般株主様及び当社との間に利益相反関係が生じる恐れはないと判断しております。
当社社外取締役の独立性判断基準
当社は、東京証券取引所の規則等の独立性に関する諸規定を参考としつつ、当社の適正なガバナンスにとって必要な客観性と透明性を確保する ために、法令上求められる社外取締役が可能な限り独立性を有していることが望ましいと考え、当社の社外取締役が以下の何れにも該当しない 場合、独立性を有していると認めております。
1. 最近1年間において下記(1)~(5)の何れかに該当していた者
(1)当社又はその子会社(以下「当社グループ」という。)を主要な取引先とする者(その者の直近事業年度の年間連結売上高の2%以上の支払を 当社グループから受けた者)又はその親会社若しくは重要な子会社、又はそれらの者が会社である場合における当該会社の業務執行取締役、執 行役、執行役員若しくは支配人その他の使用人
(2)当社グループの主要な取引先((3)を除く)である者(当社グループの直近事業年度の年間連結売上高の2%以上の支払を行った者)又はその 親会社若しくは重要な子会社、又はそれらの者が会社である場合における当該会社の業務執行取締役、執行役、執行役員若しくは支配人その他 の使用人
(3)当社グループの資金調達において必要不可欠であり、代替性がない程度に依存している金融機関その他の大口債権者又はその親会社若し くは重要な子会社の取締役、監査役、会計参与、執行役、執行役員若しくは支配人その他の使用人
(4)当社グループから役員報酬以外に、過去3年平均で年間1,000万円以上の金銭その他の財産を得ているコンサルタント、公認会計士等の会計 専門家、弁護士等の法律専門家、およびその他の専門家
(5)当社グループの会計監査人の社員、パートナー又は従業員である者
2. 最近5年間において下記(1)~(4)の何れかに該当していた者
(1)当社グループから年間1,000万円以上の寄付又は助成を受けている者
(2)当社の大株主(総議決権の10%以上の議決権を直接又は間接的に保有している者)又は当該大株主が法人である場合には当該大株主又は その親会社若しくは重要な子会社の取締役、監査役、会計参与、執行役、理事、執行役員又は支配人その他の使用人
(3)当社グループから取締役(常勤・非常勤を問わない。)を受け入れている会社又 はその親会社若しくは子会社の取締役、監査役、会計参 与、執行役又は執行役員
(4)当社グループの取締役・監査役の二親等以内の親族
3. その他、当社の一般株主全体との間で1.~2.までで考慮されている事由以外の事情で利益相反が生じるおそれがある者
当社の取締役の報酬は、2021年6月開催の第60回定時株主総会で上限を定めており、独立社外取締役が過半数を占める任意の指名報酬委員会において妥当性を審議の上、取締役会で決定しております。
報酬の種類としては、固定報酬(金銭)、業績連動報酬(金銭、以下賞与)、業績連動報酬であり非金銭報酬である株式給付信託、非金銭報酬としての譲渡制限付株式報酬(以下RS)がございます。なお、社外取締役及び監査等委員である取締役は固定報酬のみとしております。
賞与は、連結営業利益をベースとし、配当、従業員の賞与水準、他社の動向、及び中長期業績や過去の支給実績等を総合的に勘案して決定します。
また、各年度の期初に設定した年度目標を上回った場合は、加算賞与をインセンティブとして設定しています。株式給付信託は、2025年度から始まった中期経営計画に基づく各年度の売上高及び営業利益の目標達成度合いに応じて、当社が定める株式給付規程に基づき、株式に相当するポイントを付与する制度です。
役員区分 | 報酬等の総額 (百万円) | 報酬等の種類別の総額 | 対象となる 役員の員数(名) | ||
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固定報酬 | 業績連動報酬 | 左記のうち、非金銭報酬等 | |||
取締役(監査等委員及び社外取締役を除く) | 275 | 150 | 124 | 22 | 4 |
監査等委員(社外取締役を除く) | ー | ー | ー | ー | ー |
社外役員 | 34 | 34 | ー | ー | 5 |
当社の社名の由来にあるように、ユーザー様、販売店様、サプライヤー様と一体となって新しい価値の創造に取り組んでおります。これらのステークホルダーは、主に営業部門、カスタマーサポート部門、購買部門が日常的にコミュニケーションをとり、日々の改善を行っております。一方、株主様や投資家様とのコミュニケーションは、広報IR部が中心になり、取締役コーポレート本部長、代表取締役社長が行っております。2024年3月期の機関投資家様との延べミーティング件数は360人以上となりました。最近はESG投資家とのエンゲージメントが増加しており、貴重な意見交換ができており、経営の参考にさせていただいております。